物流用語に強くなろう:
掲載日:24.05.01
荷姿(Packing Style)
荷物を輸送する際の外観を指します。包装されないバルクやリキッドなどの貨物を除いて、ほとんどの貨物は梱包されているため、通常は、荷姿とは「梱包の状態」を指します。
荷姿の種類には、以下のようなものがあります。
・カートン梱包(Carton)… 段ボール製の箱を使用した梱包です。最もよく使われます。
パッキングリストなどの書類では「C/T」と省略されます。
・ケース梱包(Case)… 木材やスチールなどで全体を密閉させた状態にします。機密性が高く、
精密機械や工作機械などを保護するための梱包に適しています。
・クレート梱包(Crate)… 格子状に組んだ木枠やスチールで梱包します。透かし梱包とも
呼ばれ、梱包後にも外から中身が確認できます。工作機械、機械設備などの重量物を梱包する
のに、広く用いられます。
・パレット梱包(Pallet)… カートン梱包した箱をパレットに積み上げ、シュリンクやバンドで
固定します。軽量品の荷崩れを防止するためには、ストレッチフィルム等を巻いて固定します。
・スキッド梱包(Skid)… スキッド(角材やスチールを格子状に組んだ土台)に荷物を積み、
ベルトやワイヤーで固定します。
両面とも板がないもの、片側にのみ板があるものをスキッドと呼び、両面を挟むように板があればパレットと呼びます。
・バンドル梱包(Bundle)… 長尺物など細長い製品を鋼など頑丈な素材で作られたバンドルで
束ねたものです。バンドルは結束の意味です。
・バリア梱包(Barrier Packaging)… 湿気を防止するため無透湿素材など(バリア材)で
製品を囲い、梱包内の空気を抜いて乾燥剤を入れて湿気を取り除きます。
錆(さび)止め梱包ともいわれます。さびや湿気、ホコリに弱い製品の梱包に用いられます。
・ベール梱包(bale)… 羊毛、綿花、紙、金属スクラップなどかさ張る物品を、ある程度圧縮
しながら包装材料で覆い、さらにひもなどの結束材料で固定します。圧縮梱包ともいわれます。
・緩衝梱包(Buffer Packaging)… 包装容器の中に振動や衝撃に強い素材を入れて
梱包します。緩衝材は内容品に対応した素材を選択します。
このほか、粉状の製品の輸送に適したフレキシブルコンテナ、フレコンバッグによる梱包などがあります。
荷姿は、輸送方法によって決まります。陸上輸送や海上輸送は、衝撃や防水性の高い梱包が適していますが、フェリーやトレーラ輸送の場合は積載量が多いためパレット梱包されます。航空輸送は重さや大きさに制限があるため、軽量な梱包資材が有効です。