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掲載日:21.08.04

国土交通省/「国土交通グリーンチャレンジ」~2050年カーボンニュートラル、グリーン社会の実現に向けた重点プロジェクトを公表

 国土交通省は、2050年カーボンニュートラルや気候危機への対応など、グリーン社会の実現に向けて戦略的に取り組む重点プロジェクトを「国土交通グリーンチャレンジ」としてとりまとめ、公表しました。「国土交通グリーンチャレンジ」では重点的に取り組むべき6つのプロジェクトを掲げています。このうち「自動車の電動化に対応した交通・物流・インフラシステムの構築」、「デジタルとグリーンによる持続可能な交通・物流サービスの展開」など物流に直結したプロジェクトに着目しました。

〇物流では自動車の電動化とデジタル対応が柱
 我が国のCO₂排出量の約5割を占める運輸、民生部門の脱炭素化等に向けた地球温暖化緩和策、気候変動適応策などに戦略的に取り組むため国土交通分野の施策・プロジェクトの充実強化を図るとしており、2050年の長期を見据えつつ、2030年度までの10年間に重点的に取り組む分野横断・官民連携のプロジェクトをとりまとめ、戦略的に実施するとしています。
 「自動車の電動化に対応した交通・物流・インフラシステムの構築」については、カーボンニュートラル実現に向けてガソリン・ディーゼル車から電動車への転換を加速することが不可欠の課題であると言及しています。電動車は、電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)を指します。目標として、8トン以下の商用車については、新車販売で30年までに電動車20~30%、40年までに電動車と合成燃料など脱炭素燃料の利用に適した車両を合わせて100%を目指します。8トン超の大型商用車については、20年代に電動車5000台の先行導入を目指すとともに、水素や合成燃料などの価格低減に向けた技術開発を行い、普及の進捗を踏まえて30年までに40年の電動車普及目標を設定するとしました。
 このような自動車単体対策のみならず、自動走行・デジタル技術の電動車への実装等の新技術活用や、低速走行、ダウンサイジング(車両の小型化、運行経路や頻度の見直しなど)、電気自動車の蓄電池としての機能や災害時の移動式電源としての機能を生かした多面的な使い方の普及を図るとして、施策を掲げました(表参照)。
 「デジタルとグリーンによる持続可能な交通・物流サービスの展開」のプロジェクトでは、運輸部門におけるCO₂排出量の削減に向けて、アボイド(渋滞対策などの不必要な交通の削減)、シフト(公共交通の利用促進やモーダルシフト等のCO₂排出原単位の小さい輸送手段への転換)、インプルーブ(AI・IoT、ビッグデータ等のデジタル技術等の技術革新、新技術を活用した新たなサービスの創出)の複合的な対策の強化を、今後の方向性として示しました。
 物流分野では、関係事業者の連携によるAI・IoT等を活用した物流DXの推進を通じたサプライチェーン全体の輸送効率化や省エネ実現、物流MaaSの観点からのデジタル技術の活用等を通じた関係事業者間の連携による物流システムの高度化を含めたトラック輸送の効率化、海運や鉄道へのモーダルシフトのさらなる推進などのグリーン物流の取組を通じた新しいモビリティサービス構築を課題に挙げ、施策として「荷主と輸送事業者が行う省エネの取組を適切に促す評価のあり方を検討する」としています。
 さらに、災害時にエッセンシャルサービスとしての交通・物流サービスが長期にわたり途絶しないよう、気候変動リスクに対応した交通・物流システムの強靭化を図るとしています。