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物流現場訪問:
掲載日:24.04.03

ネスレ日本/中距離帯でのモーダルシフト~静岡‐関西間で定期貨物鉄道輸送を開始

 ネスレ日本(本社=神戸市)は2月から、長距離輸送(走行距離500km以上)を対象としてきた貨物鉄道による輸送を、貨物量の多い中距離輸送(走行距離500km以下、200~350kmを中心帯に想定)にも拡大しました。今回、島田工場(静岡県島田市)から関西方面へ出荷されるボトルコーヒーの輸送を、トラックによる直送体制からレールでJR貨物百済貨物ターミナル駅(大阪市)を経由して輸送する体制に転換しました。今後も段階的に対象品目と地域の拡大を図り、CO2排出量の削減やトラックドライバーの長距離走行の削減を推進します。
 ネスレ日本は、2009年に貨物鉄道輸送を開始しました。18年にはJR貨物土浦駅 (茨城県土浦市)を“倉庫 ”として活用する「土浦モデル」をJR貨物と構築、20年には米などの農作物運送後に空回送されていたコンテナをボトルコーヒーの輸送に活用する「産業を跨いだ新たな鉄道運送水平共同モデル」を共同開発するなど、長距離輸送でのモーダルシフトを推進してきました。23年9月には、JR貨物と「持続可能な物流構築へのパートナーシップ」を調印しました。
 今回の取り組みは、貨物量の多い中距離輸送に鉄道輸送利用の拡大を図る第1弾として、静岡-大阪間の輸送から着手したものです。
 島田工場で製造されたボトルコーヒーを、12フィートコンテナ(コンテナ1個に6パレット格納可能)に積み込みます。月曜日から金曜日の毎日、40個のコンテナ(積載量200トン)を静岡貨物駅から百済貨物ターミナル駅まで鉄道を利用して輸送(運行距離約330km)します。同駅の構内では日本運輸倉庫関西支店の1階部分(側線倉庫)まで引き込み線が通じているため、雨に濡れることなく到着コンテナのデバンニング作業ができます。取り卸した貨物は「土浦モデル」と同様に、駅で一時保管して仕分け、関西地区の各納品先に配送します。
 このモーダルシフトにより、静岡-大阪間を走る1日200トン、年間4000台のトラックの削減、年間900トンのCO2排出量削減を見込みます。今後、霞ヶ浦工場(茨城県稲敷市)から東北地区への輸送、島田工場から中国地区への輸送のモーダルシフトや対象品目の拡大に取り組んでいく考えです。
 2月21日に、JR貨物百済貨物ターミナル駅で「食品・飲料業界初の中距離帯での定期貨物鉄道輸送開始式」が開催されました。ネスレ日本から深谷龍彦社長兼CEO、ピエール・アラン・ミショー常務執行役員、加納未来執行役員、伊藤健二物流部長、JR貨物から犬飼新社長、高橋秀仁執行役員、全国通運から永田浩一社長、日本運輸倉庫から柏井省吾社長らが出席しました。
 犬飼社長は「しっかり期待に応えられるよう、グループ一丸となって努力していく」と決意を語りました。


今回のモーダルシフトのイメージ図




挨拶する深谷氏(右)と犬飼氏

到着した第1便コンテナ前で記念撮影
(左から高橋、永田、柏井、犬飼、深谷、ミショー、加納、伊藤の各氏)




貨物鉄道輸送の様子