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掲載日:25.05.07

国土交通省/改正物流効率法第1弾が4月1日に施行
~取組状況は秋頃に公表

 物流の持続的成長を図るため、荷主・物流事業者に対する規制的な措置を盛り込んだ改正物流効率化法および貨物自動車運送事業法が4月1日に施行されました。すべての荷主・物流事業者に、物流効率化のために取り組むべき措置の努力義務が課せられました。取り組むべき措置の判断基準の解説書・事例集が公開されています。
 荷主等の判断基準に関する調査・公表は、秋頃の実施を予定しています。荷主等の取組状況を物流事業者からの定期的なアンケート調査により把握し、点数の高低にかかわらず公表するとしています。

〇すべての荷主・物流事業者に努力義務を課す~物流効率化法
 物流効率化法のうち、すべての荷主・物流事業者に対する努力義務は、つぎの3つの柱です。①積載効率の向上等(複数荷主の貨物積合せ、共同配送、適切なリードタイムの確保、繁閑差の平準化や納品日の集約、配車・運行計画の最適化など)、②荷待ち時間の短縮(混雑時間を回避した日時指定などによる出荷・納品日時の分散など)、③荷役等時間の短縮(パレットなど輸送用器具の導入、出荷荷積みの順序や荷姿を想定した生産・荷造り、フォークリフトや荷役作業員の配置によるドライバーの負担軽減、検品の効率化など)です。国は、これらの取組事例を示した判断基準・解説書を策定し、公開しました。荷主には、実効性の確保のための事項として、責任者の選任、社内教育体制、物流データの標準化、関係事業者間での連携推進などを挙げました。
 これにより、2028年までに5割の運行で1運行当たりの荷待ち・荷役時間の合計を2時間以内に削減(現行は3時間超)、5割の車両で積載効率50%(全体の車両で積載効率44%)を実現します。
 このほか、荷主・物流事業者に該当しない卸売市場やショッピングセンターなどの施設管理者、商業施設などを開発・運営するデベロッパー、商社、ECモール運営事業者、物流マッチングサービス提供事業者など、物流に関係する事業者についても取り組み方針や事例を示すことを検討しています。

〇トラック運送事業者の取引に対する規制的措置~改正貨物自動車運送事業法
 改正貨物自動車運送事業法では、真荷主とトラック事業者が運送契約を締結するときは、運送の役務の内容・対価(附帯業務料、燃料サーチャージ、高速道路利用料などを含む)を記載した書面を、相互に交付することを義務付けました(法第12条)。トラック事業者が利用運送を行うときは、委託先(下請運送事業者)への書面交付を義務付けました(法第24条)。
 また、元請運送事業者が利用運送を行う場合、委託先への発注適正化、すなわち「健全化措置」を講ずることを努力義務化しました。健全化措置の内容は、①運送費用の概算額を把握したうえで利用の申込みをすること、②荷主から提示された運賃・料金が概算額を下回る場合は荷主に対し運賃・料金交渉を申し出ること、③委託先のトラック事業者が再委託を行う場合に再々委託の制限を設けることなどが挙げられています。
 さらに、運送体制の明確化を図るため、元請運送事業者が利用運送を行う際には、「実運送体制管理簿」の作成・保存を義務付けました。管理簿の記載事項は、実運送事業者の名称、実運送を行う貨物の内容・区間、請負階層です。作成対象となる貨物は1.5トン以上としました。

 このほかに、荷待ち時間や荷役作業・附帯作業の「業務記録」への記録義務の対象が、『すべての車両』に拡大されています(従来は、「車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の車両」を対象)。運送事業者が自身の荷待ち時間・荷役時間を記録することで、待機時間料や積込・取卸料などを荷主から適正に収受する根拠とすることができます。