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掲載日:25.11.05
ロート製薬/配送ルートに共通性のある3社協業で物流改革
~共同配送を開始
ロート製薬、ミルボン(本社=東京)とHaleonジャパン(同)は、持続可能なサプライチェーン構築を目的とした物流効率化の取り組みとして、東陽倉庫(本社=名古屋市)の協力のもと、3社における共同配送を8月から開始しました。
ロート製薬は、三重県伊賀市の製造拠点から神奈川県相模原市にある東陽倉庫が運営する倉庫へ製品を輸送しています。ミルボンは、三重県伊賀市の製造拠点から埼玉県加須市の倉庫まで製品を輸送しています。Haleonジャパンは、相模原市に拠点を持つ企業に一部の製品製造を委託しており、生産された製品を同市内にある東陽倉庫が運営する倉庫から埼玉県加須市の自社物流拠点へ製品を輸送しています。各社とも積み付け方法を工夫するなど効率的な輸送に取り組んできましたが、パレット規格や製品仕様の制約により積み込み時に余剰空間が発生するなど積載率、積載効率化を課題としていました。
そこで、3社に配送ルートに共通性があることから、製品を混載する共同輸送システムを構築しました。共同配送に適した製品の選定、積載技術の検証、品質テストを実施し、製造拠点と倉庫間をリレー方式で繋ぐことで、積載効率の最大化やドライバースイッチなど長距離輸送でも過負荷なく運行できる体制を整えました。
具体的な効果は、週1回共同配送を実施した場合に、積載率は13.7%向上(平均66.5%→75.6%)、輸送効率は年間トラック102台削減(67.1%減)、総合輸送距離は年間1万5428km削減(38.6%減)、CO2排出量は年間13.3トン-CO2削減(32.8%減)、加えて18.4%のコスト削減、1運行単価を19.2%改善するほか、ドライバーの雇用環境改善にも寄与するとしています。
月1便で実施しているスキームを週1便へ増便することで定期化・安定運用を図るとともに、この成功事例やノウハウを生かして協力企業を増やすことで拠点拡大を目指します。この取り組みをサプライチェーン上流の原材料・資材調達物流、搬入物流や下流の販売物流分野へも拡大することで、サプライチェーン全体の持続可能性の向上に貢献します。
積み付けの様子
(上段:ロート製薬製品、下段:ミルボン製品)