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物流現場訪問:
掲載日:25.11.05

第4回「INNOVATION EXPO」~物流を止めない。社会を動かす。

 今回の物流現場訪問は、9月10日から12日までの3日間、東京ビッグサイトで開かれた第4回「INNOVATION EXPO」の一部出展から紹介します(50音順)。
462社・団体/1859ブースが出展し、最新物流機器・システム・情報が一堂に集結しました。

◆オカムラ
 1978年発売のロングセラー製品である「ロータリーラックH」の最新モデルを出展しました。保管から仕分けまで多目的に活用できる高速入出庫タイプの立体自動倉庫です。保管と荷役機能を自動化し、物流センターの取扱い能力や、工場の生産効率を向上するほか、労働時間の削減や作業の標準化を行うことで職場環境の改善もサポートします。
 新モデルとして追加されたのはバッファー部分機能「R部バッファー装置」です。この機能を強化することで、貨物量の増加、作業性の向上を実現します。
 また、ロボットがコンテナ入出庫を行うロボットストレージシステム「オートストア」をはじめ、オカムラが国内代理店となったHIKROBOT社「モバイルロボット」も実機デモを交えてアピールしました。


ロータリーラックH


◆ソニーセミコンダクタソリューションズ
 ソニーセミコンダクタソリューションズ(以下、SSS)のブースでは、AIセンシングプラットフォーム「AITRIOS」と自律移動ロボット(以下、AMR)向け制御ソフトウエア「Robotics Package」を出展しました。同社は、物流業界の課題解決に向けたソリューションを提案しました。
 AITRIOSは、インテリジェント・ビジョンセンサー搭載の小型カメラと組み合わせることで、トラックのナンバー検知による待機・荷役時間の自動取得、トラック積載率把握による最適な輸配送計画立案などを最適化。また、Robotics PackageはAMRの自律移動に必要なナビゲーション機能と複数台制御機能を網羅しました。
 AMRのポイントはオールジャパンだという点。AMR本体は武蔵精密工業製、SSSの提供する制御ソフトのほか、作業指示や可視化などの業務アプリケーションは、販売代理店も担うロジスティードソリューションが開発。価格面も生産プロセスの効率化などの徹底したコスト削減により、低価格を打ち出しました。
 同AMRは、ロジスティード東日本の千葉・柏の葉営業所などで稼働中。SSSでは物流市場での拡販を強化するとともに、製造や建設といった様々な業界にもAMRの導入を進めていきたいとしています。


写真はロジスティードブースにて


◆東京機械製作所
 新聞の印刷機械でナンバー1のシェアを持つ東京機械製作所は、全天候型AMR「自律走行搬送ロボット」を出展しました。屋外でのガイドレス走行や、グレーチング(道路の側溝やU字溝に使われる金属製の蓋)での走行、15mmの段差を乗り越えたり勾配を登坂できる強みをアピールし、雨や悪路に強い点を強調しました。
 東京機械製作所は素材メーカー、食品メーカー、化学メーカー、機械メーカー、建機メーカー、物流会社などをターゲットとしており、狭い場内でも使用できる点や屋内外や悪環境、悪路での搬送に適していることをデモでアピールしました。


「自律走行搬送ロボット」


◆日本通運
 日本通運は、第25回物流環境大賞「サステナブル活動賞」受賞実績のあるロールボックス「NRBOX」を初出展しました。建築現場において建材端材の100%リサイクルを支援するためのロールボックスとして高い評価を持つ製品です。従来は埋め立て処分をしていた建材端材の一部を回収し、広域認定制度を活用し建材原料として再資源化することを推進するものです。
 NRBOXの最大積載重量は500kg。観音開きタイプで積み込み時の中身が一目で分かるため、品目ごとの分別を確実に実施することが可能です。現場で建材端材の管理・回収ができ、回収した端材はすべて広域認定制度に基づき各メーカーの工場で水平リサイクルされます。異なる品目の建材端材をまとめて運搬することで、回収車両台数を削減できることからCO2排出量を削減します。3R推進の建築現場で取り扱う石膏ボード、グラスウール、岩綿吸音板、タイルカーペットの4種に特化し、近年引き合いが急増しています。
 同社のブースでは、NECとの共創プロジェクト「テレロボパイロット」、End to Endの輸送可視化ソリューション「Cargo Monitoring Services」、南海トラフ地震に備えた釜山ハブを活用した国際輸送BCPなどを出展しました。


NRBOX


◆三菱ロジスネクスト
 三菱ロジスネクストは、フォークリフトメーカーでは唯一の出展として「PLATTER Auto S タイプ」の実機実演を行いました。AGF(無人フォークリフト)のシステム販売を続けてきた同社は、近年、「要所で使いたい」とする顧客ニーズが増加してきたため、バラ売りへの対応にシフトしてきたといいます。
 同社は「無人化・自動化を諦めていませんか」と打ち出し、有人フォークリフトの自動化実現を提案しました。三菱重工のデジタルイノベーションブランドである「ΣSynX(シグマシンクス)」の要素技術を活用し、自動搬送、車体制御ともにブラッシュアップを重ねて進化させ、自動化を通じて庫内作業の効率化を支援します。
 デモではPLATTER Auto Sを稼働させて、斜めに置かれた荷物の荷役作業や、二段積み、狭い荷物口での搬送など作業シーンを模したステージで実演し、無人対応や有人モードへの切り替えを行うなどの機能をアピールしました。


「PLATTER Auto S タイプ(参考出品)