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掲載日:25.09.03

PI実現会議 化学品WG/鉄道輸送による共同物流の実証実験を開始
~31フィートコンテナを複数荷主で運用

 経済産業省と国土交通省が主導する「フィジカルインターネット実現会議」に設置されている「化学品ワーキンググループ」(以下「化学品WG」)は、東海・中国地区で鉄道輸送による共同物流実現に向けた実証実験を、8月から来年1月の期間に実施します。最終的には東海・中国地区における共同物流の実現を、さらには日本全国に展開可能な共同鉄道輸送に向けた標準スキームの構築を目指すとしています。
 化学品WGでは、昨年度、三重県四日市市~千葉県市原市の間でトラック輸送による共同物流の実証実験を行い、トラック積載率を20ポイント向上、CO2排出量28%削減の成果を上げました。今年度は、共同物流のエリア拡大と輸送モード変更を進めるため、鉄道輸送分科会参加企業の輸送データをもとに実証実験を行うことにしました。荷主企業から三菱ケミカル、東ソー、三井化学の3社が、物流会社はJR貨物と日本通運が実証実験に参加します。
 三菱ケミカル、東ソーからの発荷を名古屋貨物ターミナル駅発で中国地区へ輸送し、三井化学からの発荷を大竹駅発で東海地区へ輸送します。専用の31フィートコンテナを複数荷主で運用することで、鉄道輸送による共同物流の標準スキーム構築を目指します。
 化学品物流は、貨物の物性・梱包形態・重量などの特殊性により、輸送方法・条件が多岐にわたり、個社単位での課題解決には限界がありました。単独荷主では工場から消費地への輸送が一方向に偏るなど、効率的な運用が難しいことが課題でした。実証実験を通して、31フィートコンテナを複数荷主で活用するために必要な各種申請や課題を抽出し、実装に向けた標準スキームとして取りまとめるとしています。
 化学品WGは、今後、中長距離輸送でのモーダルシフト、エリア集荷・配送などの物流協力、資材・コードの標準化やペーパーレスなどの検討を進めます。