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掲載日:25.09.03
日本通運/自動運転トラックと貨物鉄道を組み合わせた「モーダルコンビネーション」 ライオン製品の輸送を実証
ライオン、NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社である日本通運、日本貨物鉄道、T2の4社は、7月29日~31日、自動運転トラックと貨物鉄道を組み合わせた「モーダルコンビネーション」でライオン製品の輸送を実証しました。
■「モーダルコンビネーション」について
モーダルコンビネーションの取り組みは、地球環境問題への対応や物流業界の労働力不足解消など、持続可能な物流の実現を目指し、2024年11月から進めてきました。貨物鉄道輸送の全国ネットワークと、T2が有する自動運転トラック技術を融合させた「自動運転トラック×貨物鉄道」のモーダルコンビネーションを実現することで、自動運転区間における輸送ルートの複線化を構築するほか、柔軟な輸送力の増加を可能とするなど、物流の可能性を広げることを目的とし、2025年6月に北海道~関西間、7月に関東~九州間で実証を順次実施してきました。
■同実証の概要
ライオンは、日用品の持続可能な安定供給を目指し、BCP(事業継続計画)の一環として、輸送網の多様化と先進技術の導入により、環境および社会的課題の解決を目的とした物流モデルの確立に取り組んでいます。今回、安定的なサプライチェーン機能の確立に向け、ライオン千葉工場(千葉県)からライオン福岡流通センター(福岡県)まで、モーダルコンビネーションによる長距離輸送を実証しました。輸送の際には、JR貨物とT2で共同開発した31フィート共用コンテナを用い、輸送品質やオペレーション、環境負荷を検証しました。
実証では、輸送の役割として、▼ライオンの千葉工場から東京貨物ターミナル駅(東京都)までを日本通運が、▼東京貨物ターミナル駅から百済貨物ターミナル駅(大阪府)までをT2のレベル2自動運転トラックが、▼百済貨物ターミナル駅から福岡貨物ターミナル駅(福岡県)までをJR貨物の貨物列車が、▼福岡貨物ターミナル駅からライオン福岡流通センターまでを日本通運が、それぞれの輸送を担いました。
今回の実証のルート/担当イメージ
■同実証の内容
・T2のトラックから貨物列車への共用コンテナの積み替え作業の検証
・関東~九州間における一貫オペレーションの検証
・自動運転トラック輸送区間を中心とした輸送品質の検証
T2のトラックから共用コンテナを積み替える様子
■同実証の結果
今回の実証では、T2の自動運転トラックで、綾瀬スマートIC(神奈川県綾瀬市)から久御山JCT(京都府久世郡久御山町)までの410kmの間を走行するとともに、その後の百済貨物ターミナル駅での共用コンテナの積み替え作業も遅滞なく進行しました。ライオン福岡流通センターに到着した際に荷崩れなど貨物への影響もなく、オペレーション・技術の両面で問題は発生せず、全体の運行日数は約1.8日と、計画通りの結果となりました。
4社は今後、T2が2027年から開始を予定しているレベル4自動運転トラックを用いたモーダルコンビネーションも視野に入れ、BCP対応強化や輸送能力の拡大につながる取り組みを推進していきます。