物流用語に強くなろう:
掲載日:25.08.06
統合制御型可変式速度超過抑制装置
重量車(大型トラック、大型バス)の走行速度超過の防止を支援するため、ドライバーなどが設定した速度以下になるように、補助ブレーキの制動力を付加して統合的に制御することで、安全速度を維持する装置です。
大型トラックにはスピードリミッターの装着が義務化されており、燃料噴射を制御することなどにより、一定以上の速度を増加させない仕組みとなっていますが、峠などの下り勾配では十分な速度抑制ができずに、長い下り勾配の道で速度超過による重大事故が発生しています。この装置は、下り勾配の道において十分な制動力を得るため、補助ブレーキを併用して速度超過を抑制する仕組みです。補助ブレーキには、リターダ、排気ブレーキ、圧縮解放ブレーキ、トランスミッション連動シフトダウンブレーキ、回生ブレーキなどがあります。ドライバーは時速40~100kmの範囲で走行速度の上限を設定することができます。
国土交通省は、バスに対する統合制御型可変式速度超過抑制装置の導入を対象に、最大2分の1の補助を行っています。大型バスには速度超過抑制装置が義務化されていないことや、トラックは主ブレーキの寄与度が高いのに対し、バスは補助ブレーキの寄与度が高く、装置導入による速度超過抑制の効果が大きいためです。