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掲載日:25.08.06
国交省・総務省・警察庁/自動運転インフラ検討会 今年度末に中間とりまとめ~より厳しい環境下での検証へ
国土交通省、総務省、警察庁の3省庁により設置された「自動運転インフラ検討会」は、7月9日に第3回検討会を開催し、これまでの実証結果や今後の展開方針について議論しました。本年3月から自動運転トラックの実証実験を新東名高速道路で実施しています。今年度は、新たに東北自動車道で実証を行う予定です。26年度以降は自動運転サービス支援道において道路インフラに必要な各種基準や支援機能をまとめたパッケージを作成し、実装に向けて展開するとしています。
検討会では、新東名高速道路(駿河湾沼津SA~浜松SA)で実施している自動運転トラックの実証実験について報告がありました。深夜時間帯に自動運転車優先レーンを設け、車両開発と連携した路車協調(合流支援情報提供システムや先読み情報の提供)によるレベル4自動運転トラックの実現に向けた実証実験を行っています。今年度は、東北自動車道佐野SA~大谷PA間で、より厳しい環境での実証、先読み情報の高度化に関して検証を行います。その後も多様な道路環境で検証を続け、並行して道路管理に必要な設置基準や点検要領、運行管理との連携、走行空間の整備に関するガイドラインなどを作成します。併せて費用負担のあり方、道路管理者の関わり方、物流体系(物流拠点を含む)との関係などを検討し、自動運転サービス支援道(道路インフラ)の全国展開を目指します。
総務省は、新東名高速道路での実験における情報通信インフラの取り組みについて報告を行いました。5.9GHz帯V2X通信の有効性検証、V2X通信の導入に必要となる既存無線局の周波数変更を推進しており、今後周波数再編スキームを通じた周波数移行を全国展開していきます。さらに、V2N通信の特徴(通信エリア、遅延など)も踏まえ、V2Xと相互補完しながら活用していく考えです。警察庁は、主に信号情報の提供について検討を進めていると報告がありました。
また、AIを用いた自動運転を開発しているチューリングへのヒアリングが行われ、同社は、2030年頃より一般車の運転の主体はAIに変わると述べました。
委員からは、自動運転トラックの実証は目下、高速道路のみであり、カーブが多く合流車線の短い一般道や首都高速などでの検証が必要なこと、一般車の運転はAIが主体となることはわかるが、物流はインフラが守るといったメリハリも必要である、などの意見が出されました。
検討会は、今年度末に中間とりまとめを行う予定です。