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掲載日:25.08.06
国土交通省/標準的運賃、荷主から理解を得られたトラック事業者は55%~1年前から2ポイント上昇
国土交通省は、トラックの「標準的運賃」の浸透・活用状況について実態調査を行った結果を公表しました。運賃交渉を行ったトラック事業者は約74%。このうち荷主から一定の理解を得られたのは約75%でした。この結果、事業者全体のうち運賃交渉について荷主から一定の理解を得られた事業者は約55%となり、2年前の43%、1年前の53%から着実に上昇しています。
○荷主の理解のため引き続き周知・啓発が必要
調査は、「標準的運賃に係る実態調査」として、本年3月17日~28日にアンケート方式により行われ、全日本トラック協会会員約1100者、ホワイト物流推進運動において把握した荷主企業約200社が回答しました。
運賃交渉を行ったトラック事業者のうち、荷主から希望額を収受できたのは272者(36%)、一部収受できた294者(38%)、合わせて74%となりましたが、残りの26%は「希望額の収受ができなかった」と回答していることから、同省は「引き続き荷主の理解を得るための周知・啓発が必要」としています。
運賃交渉を行っている割合は、2年前の調査では68%、1年前は71%、今回は74%と年々微増しています。特に、「標準的運賃を提示」している事業者が、2年前は21%、1年前は36%、今回は41%と増加しており、「標準的運賃」の活用が進んでいるとしています。
一方、運賃交渉を実施していない事業者について、その理由としては、「契約打ち切りの恐れ」、「荷主の経営状況を考慮」が多く挙がっています。
標準的運賃を「概ね収受できている(標準的運賃の8割以上を収受できた)」と回答した事業者は45%と前年の50%から減少しました。これについて同省は、24年3月に標準的運賃の改定があったためとしており、改定前(2020年)の標準的運賃と比較した場合、「概ね収受できている」割合は53%と増加しており、適正な運賃収受への理解は進んでいるとしています。
〇一運行当たりの収受額は2318円上昇
運賃交渉の結果、「一運行当たり」の収受額は前年と比較して「増減なし」が54%、「増加」が全体の35%という結果でした。増加した契約の内訳をみると、2000円以下が最も多く29%、次いで2000円超4000円以下が16.4%、4000円超6000円以下が16.1%となり、全体の平均では2318円上昇しました。
ドライバーの賃上げを実施したかについても調査しました。運賃値上げを(一部でも)原資として、ドライバーの賃上げを実施した企業は約60%。平均賃上げ率は「5%以下」が最も多く67%で、次いで「6~10%」が23%と、10%以下の賃上げが約9割を占めました。